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ぼくたちにとって「キャラクター文化」は、常に身近で、わかりやすく、ありふれていて、まぎれもなく大衆的な表現である。と同時に、そこでは極限まで複雑化した文脈が折り重なり、いびつで過激な表現の実験が当たり前のように行われる領域でもある。
キャラクター表現そのものが持つ宿命的な単純さ、わかりやすさと、その歴史的文脈や需要環境をめぐる圧倒的な複雑さ、わかりにくさ。この二面性を保ち続けながら、キャラクター文化は社会との接点を持ち、時代と並走する表現として歴史を刻んできた。 そしてそのなかで練り上げられたキャラクターは、社会や共同体の記憶、無意識を可視化し、保存し、遠くへ運ぶメディアにもなっている。「悪い場所」としての日本のなかで、キャラクターは数少ない歴史と記憶のメディアなのである。
東日本大震災が日本に与えた影響は、当然ながらすでに、キャラクター文化全体にも深い傷を残しているはずである。しかし残念ながら、現状のキャラクター産業には、その傷と向かい合うような兆候はほとんど見当たらない。 やはり今回の震災と原発の衝撃は、今までどの時代のキャラクター文化も受けたことない、「未曽有」のものなのかもしれない。もしかすると、現代日本のキャラクター文化は、この衝撃を受け止めきれないのかもしれない。
もしそうだとしても、カオス*ラウンジは、キャラクター文化の片隅から声を上げる。ぼくたちが試みるのは、徹底してキャラクターを描くことで震災後の世界 を捉えることである。人間が思考停止に陥るほどに捉え難くなってしまったこの世界を、キャラクターのあっけらかんとした「わかりやすさ」で描くことであ る。
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